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2023.2.22

一人一人が自ら考え判断する時 コロナ禍で一律化した世の中でロックが果たす役割

2022/10/31 ライブレポート 清春『LIVE AT 新宿LOFT 25TH』

2023年1月27日、政府は新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けを5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行すると発表した。またこの発表と同日には、プロスポーツや大規模イベント開催上のルールは「100%の収容率でも大声出し可能」となったが、そのアナウンスが大きくなかったせいかライブ会場では声を出さない人もまだ多い。マスクの着用に関しても、政府は現状「屋外ではマスクの必要なし」の方針で、「5類」に移行した場合は「原則不要で、着用は〝個人の判断に委ねる〟」 となるが、マスクをする習慣を3年以上続けた日本では、マスクを外してライブを楽しむ日が来るにはまだ時間がかかるようにも思える。
こうした習慣に抗い続けてきたアーティストがいる。コロナ禍で思考が停止し、ただただ周囲に流されてゆく人々に「自分で考えること」の大切さを説き、自ら考え行動してきたミュージシャン、清春だ。

少し時間が経ってしまったが、その清春が行った特別なライブを以下に記しておく。コロナは確実に出口に向かってはいるが、この国に染み付いたコロナ禍での習慣はそう簡単に変わるものではない。心の底から音楽を楽しむためにはどうしたらいいのか、この先も一人一人が自分で考える必要があると思う。
2022年10月31日、その特別なライブは行われた。新宿LOFTでの清春のライブ『LIVE AT 新宿LOFT 25TH』だ。このライブが特別だった理由の一つは、コロナ禍に入ってから2年半ぶりとなる〝規制なし〟(声出し可能なだけでなく、マスクをしなくてもOK)のライブだったからだ。前日には恵比寿でバースデーライブをこなし、2日続けての公演となったこの日のライブは清春にとってもファンやライブハウスにとっても〝特別〟だった。今や伝説として語られている黒夢のライブを収録した映像作品『1997.10.31 LIVE AT 新宿LOFT』から25周年となる記念日でもあり、〝ロック〟が2年半ぶりに息を吹き返した日となったからだ。

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2022.9.23

混沌化するエネルギー問題にどう向きあっていくか? ――いとうせいこう×飯田哲也×小川淳也×津田大介

2022/3/6 イベントレポート

ウクライナ侵攻から半年。
電力ひっ迫問題が語られる中、8月24日に岸田総理は「原発新設の検討を進める考え」を示した。去る7月14日にもこの冬の電力ひっ迫の対策として「最低でも原発9基の再稼働」を表明した。日本のエネルギー政策は再び震災前の状況に戻ろうとしているようだが果たしてそれでいいのだろうか?
その問いへの答えのヒントとして、3月6日に『君ニ問フ』主催で開催されたエネルギー問題に関するトークイベントの内容を以下に掲載する。

トークイベントが開催された3月6日は3.11 東日本大震災および福島第1原発事故から11年目を迎える直前のタイミングで、「なぜ原発はなくならず、なぜ再生可能エネルギーはベースロード電源になれないのか?」と題してトークを展開。
くしくも、2022年3月3日にロシア軍の砲撃によりウクライナのザポリージャ原発で火災が起きるという衝撃的な事態が発生した直後だった。

ゲストには、2021年4月に再生可能エネルギーによる「アーティスト電力」(注)をスタートさせたいとうせいこう、環境エネルギー政策研究所所長の飯田哲也、立憲民主党政務調査会長(当時)の小川淳也、原発やエネルギー問題について取材を続けるジャーナリストの津田大介の4氏を迎えて議論した。
司会は震災以降、福島第1原発構内の取材を続けている『君ニ問フ』編集長・ジョー横溝。

※本記事はイベント「なぜ原発はなくならず、なぜ再生可能エネルギーはベースロード電源になれないのか?」の書き起こしの一部に加筆/修正を加えて掲載しています。

(注)https://minden.co.jp/personal/shareland/seikoito/

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2022.9.16

コロナ禍で身を縮めた音楽業界が復活するには ~インディペンデント(独立系)の立場でしかできないこと~

対談 清春(アーティスト)×上昌広(医学博士・特定非営利活動法人「医療ガバナンス研究所」理事長)

コロナ禍で音楽業界は活動の機会の多くを失った。行政から要請された3密回避などの行動制限はことごとく表現の幅を狭め、引退を余儀なくされたアーティストすらいる。一方で自ら新しい活動を模索するアーティストもいた。その違いを分けたのは、〝独立性〟かもしれない……。

そんな想いから『君ニ問フ』では、大手事務所などの組織 に属さずインディペンデントな立場で活動を展開する2人、アーティスト ・清春氏と医師の医療ガバナンス研究所理事長・上昌広氏の対談を企画。本メディア編集長のジョー横溝が司会を担当し、去る8月9日に対談が実現した。

2022年は2年ぶりにまん防などの規制のない夏を迎えたが、音楽業界は野外ライブですら声出し禁止などまだ身を縮めたままだし、コロナ禍で離れたファンが戻ってこないで苦戦しているアーティストもまだいる。かつての活気を取り戻すには、大手が動き始めるのを待つのではなく、独立したアーティストが突破するしかないと医師の上昌広氏は指摘する。

コロナ禍でのライブイベント自粛は、2020年の2月に安倍首相(当時)が記者会見で大規模なイベントの自粛要請をしたことに端を発しているが、それを受けてPerfumeが東京ドームの公演を当日キャンセル。大手がやめたのを機に将棋倒し、右へならえで次々と自粛していき、いまだに大手が通常運転をするのをみんなが待っている感じがする。

コロナ禍がやがて終息しても、新たな疫病はまた出現するであろうと言われている。その時に、やはり国の決定や大手の動向に従って長い自粛期間で 犠牲を伴いながら耐えるしかないのか、それともアーティスト達自身で新たなルールを作り検証して、自分の表現や自分の表現を愛してくれる人たちのために活動機会を最大限守るのか……それはコロナ禍でどれだけ模索するかにかかっているように思う。

この2年で作られた風潮に誰が風穴を開け、人々に植え付けられた恐怖心を誰が取り払うのだろうか。

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2022.8.21

東京の水源地「檜原村」を産廃焼却場から守るには 「顔の見えすぎる民主主義」と「日本人に欠けている価値観」

2022/6/28 イベントレポート

東京都の西端にある檜原村。一帯に広がる豊かな自然での登山やハイキング、ロードバイク、川遊び、バーベキューなどの体験を求めて、年間20万人が観光に訪れる。村の8割が秩父多摩甲斐国立公園に指定されており、東京都が誇る自然観光資源だ。
しかし、その檜原村に降って湧いた「産業廃棄物焼却処理施設」建設計画は、これまでの村のあり方を変えてしまうほどの衝撃を与えている。村民どうしのネットワーク、村議会のあり方、そして民主主義とは何なのか。村民不在で進められ、2022年秋には東京都知事の判断が下されようとしている中で、自分たちの未来は自分たちで決めたいと、反対運動が村の内外で広がり始めている。

去る6月28日、LOFT9Shibuyaで「SAVE HINOHARA 東京の水源地『檜原村』を大規模産廃焼却場から守れ!〜『顔の見えすぎる民主主義』から日本の未来を考える〜」と題してトークライブを開催。前半では、檜原村移住者で反対活動を牽引(けんいん)しているジンケン氏、東京都環境局に40年勤め、環境問題に長年携わってきた藤原寿和氏、社会学者の宮台真司氏、元SEALDsで檜原村とも縁のある中川えりな氏を迎え、同計画の経緯と産廃焼却施設そのものの問題について話し合った。後半では、法律的な観点で運動に関わっている弁護士の半田虎生氏、元村議の吉川洋氏を加え、「民主主義」をテーマに議論した。ファシリテーターは本メディア編集長・ジョー横溝。

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